原子力リスク研究センター

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リスク評価研究チーム

要員

約45名(主な研究拠点:横須賀地区)

研究分野

リスク評価研究チームは以下の技術を有する5研究分野により構成されます。

原子力リスク工学
所属研究員専門分野: 原子炉システム、伝熱流動、リスク工学、信頼性工学、リスクコミュニケーション等
主な研究テーマ: PRA手法と活用技術の開発、リスク情報を活用した保全の高度化、リスクマネジメントのためのリスクコミュニケーション技術の開発
内部ハザードPRA
所属研究員専門分野: 火災工学、燃焼工学、信頼性工学等
主な研究テーマ: 内部火災・溢水PRAの高度化、火災防護対策の開発・実証、火災モデルの整備
人間信頼性
所属研究員専門分野: 信頼性工学、原子炉システム、ヒューマンファクター等
主な研究テーマ: 人間信頼性解析手法の開発、ヒューマンパフォーマンス向上策の開発
シビアアクシデント評価技術
所属研究員専門分野: 伝熱流動、原子燃料、原子炉工学、数値流体力学、電気化学等
主な研究テーマ: 過酷事故関連現象の解明、モデル開発とコードへの実装、不確かさの定量化、事故進展解析からレベル2PRAへの展開
環境影響
所属研究員専門分野: 環境リスク評価、大気環境等
主な研究テーマ: レベル3 PRA手法の整備、大気拡散評価手法の開発

主な研究設備

フィルタベント試験装置

 原子力発電所の安全性向上対策としてフィルタベント装置(FCVS)の設置が進められています。FCVSは、格納容器内圧力を低減し、多段のスクラバを通じて、放射性物質の放出を低減する装置です。代表的なFCVSは、ベンチュリスクラバ、水(アルカリ水溶液)スクラバ、金属繊維フィルタそしてモレキュラーシーブを採用しています。電中研ではFCVS性能評価のためのデータベース構築および最適運用方法の提案を目的として、実機模擬性のあるFCVS試験設備を建設しました。この試験設備は、実スケールの試験部(高さ8m、内径0.5m)蒸気ボイラ、ヨウ素/エアロゾル発生装置そして最新の計測システムを有しており、本設備は、さまざまな条件(温度、圧力、流量、水質)でのFCVS性能を測ることが可能です。

フィルタベント試験装置 フィルタベント試験装置

軽水炉模擬燃料冷却限界実験設備

 福島第一原子力発電所の事故を教訓に、従来の安全審査で要求された設計基準事象の範囲を超えた事故時の安全対策が必要とされています。今後は、燃料が損傷するまでの燃料露出過程、さらに過酷事故に至る厳しい条件を仮定した事故マネジメント策の高度化が重要な課題です。

 当所では、事故時の原子炉燃料集合体内の冷却特性を把握するため、「軽水炉模擬燃料冷却限界実験設備」を設計製作しました。本設備は、軽水炉の定格運転条件を模擬できる高温高圧ループとX線CT/リアルタイムラジオグラフィ設備により構成され、圧力容器内の模擬燃料集合体と内部流動を三次元可視化することができます。2014年10月より、本設備を用いた実験に着手しました。

軽水炉模擬燃料冷却限界実験設備 軽水炉模擬燃料冷却限界実験設備

放射性物質の海洋拡散シミュレーション

 福島第一原子力発電所事故によって、放射性物質の流出による海洋汚染は、沿岸のみならず太平洋に面する諸外国にとっても懸念となりました。そのため、海洋モニタリングによる実態解明が急務とされましたが、船舶による採水が制約となり、十分な解明が困難となっていました。

 そこで、当所では福島第一原子力発電所事故直後、これまでの温暖化研究や放射性物質の海上輸送の安全性評価の知見をもとに、福島沖および北太平洋の海洋拡散シミュレーション手法を開発しました。このシミュレーションによる結果と海洋モニタリングデータとの比較を行いながら海洋拡散の実態解明に取り組み、学術誌などに発表してきました。引き続き、福島沖に限らず、他海域への適用についても検討を進めていきます。

放射性物質の海洋拡散シミュレーション

図 福島沖における表層137Cs濃度のシミュレーション結果と観測結果
(2011年6月4日から18日、○で示す)との比較。

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