電力自由化は世界的潮流となる中、わが国でも平成7年から段階的に、電力自由化が進められています。当研究所では、諸外国における自由化動向の調査検討を先行的に始め、平成5年度より本格的な調査・分析に取り組むとともに、海外の研究機関との共同研究などを通じて、自由化政策と環境政策との整合性や自由化と供給保障に関する問題点の解明などを行ってきました。これらの成果をもとに、平成13年4月に、外部の有識者の方々の参加をいただき、内外の電力自由化を巡る動向や課題を制度面、経済面、技術面などの多様な観点から総合的に議論する「電力自由化問題研究会」を設置しました。
電力自由化問題研究会は、平成13年4月から平成14年3月まで、8回の研究会において、次の8つの課題を検討し、平成14年4月の最終報告会の開催をもって活動を終了しました。
1 | 電気事業の費用構造と生産性 |
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2 | 電気事業の構造変化の方向性 |
3 | 電力自由化の現状評価 |
4 | 電力自由化と安定供給 |
5 | 需要家ニーズの把握と保護 |
6 | 電力取引のあり方 |
7 | ネットワーク・アクセスのあり方 |
8 | 電力自由化とエネルギー・環境政策との整合性 |
検討の結果、わが国における電力自由化の方向性について、下記のように結論づけました。
これらの結論については、平成13年11月2日の「第20回エネルギー未来技術フォーラム 電力自由化を考える―競争と安定供給の調和を求めて―」において、わが国における電力自由化に関する提言として発表しました。
また、平成14年6月にはこれらの活動をとりまとめ、総合報告書『電力自由化問題研究会報告』を発行し、平成15年3月には総合報告書をコンパクトにまとめた『電力自由化の制度設計―系統技術と市場メカニズム―』を刊行しました。
編者:南部鶴彦(学習院大学経済学部教授電力自由化問題研究会主催)
出版:東京大学出版会
価格:4500円(本体)
ISBN:4-13-040198-X
A5判 288ページ
研究会は終了しましたが、小売り自由化の範囲や分散型電源による電力供給など、課題はまだまだ残っています。当研究所は、今後も電力自由化を重要な研究テーマに位置付け、取り組んでいきます。