電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

※ PDFのファイルサイズが大きい場合には、ダウンロードに時間がかかる場合がございます。 ダウンロードは1回のクリックで開始しますので、ダウンロードが完了するまで、複数回のクリックはなさらないようご注意願います。

電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

GD21006

タイトル(和文)

人感センサを備えたエアコンの空気流制御機能が室内温熱環境へ及ぼす影響の把握

タイトル(英文)

The Influence of Airflow Control Function of Air Conditioners with Human Sensor on Indoor Thermal Environment

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背 景
エアコン運転時の省エネ推進と温熱快適性の向上のため、人のセンシング等のエアコンの制御機能が利用されているが、制御機能利用の効果について評価・試験方法が明確な、客観性のある事例は公開されていない。そこで前報[1]では暖房運転時の人感センサ機能利用による室内温熱環境の向上効果を評価した。一方、エアコン自体が空気の流れを制御するフラップ及びルーバーの向きや吹出風量等の挙動は把握できておらず、それらの挙動と室内温熱環境との関係も十分に把握されていなかった。
目 的
エアコンのフラップ・ルーバーの向きを連続測定する手法を構築し、在室者位置等の差に対するエアコンの空気流制御の挙動を把握する。また試験用住宅群1)において冷暖房試験を行い、フラップの向き及び吹出風量が室内温度分布へ与える影響を把握する。
主な成果
1.フラップ・ルーバー向きの測定手法の構築
画像解析を用いてエアコンのフラップ・ルーバーの向きを連続的に測定する手法を構築し(図1)、試験用住宅(図2)において同手法を用いて、人感センサ機能利用時に室内の在室者の位置移動に追従してルーバーの向きが変わることを確認した(図3)。
2.人感センサ機能及び空気流制御機能利用が室内温熱環境へ与える影響の実態把握
人感センサ機能の制御種別と人の位置を変えた冷房運転試験2)を行い、各住宅でのエアコンの挙動及び室内温度分布を計測した。人感センサ機能の制御種別・人の位置によってフラップやルーバーの向きが変わることが確認された。またどの住宅においても人感センサ機能オフの場合には設定温度よりも低かった室内温度が人感センサ機能を使用すると上昇し(図4)、エアコンの消費電力が低下することが確認された。
エアコンのフラップの向き及び吹出風量を変えた冷暖房運転試験3)を行い、各住宅での温度分布を計測した。冷暖房ともに、どの断熱等級住宅においても、風量が大きくなるほど上下の温度差が小さくなること(図5)、また冷房と暖房で挙動が異なり、冷房では風量弱の場合には運転開始時の室温が高い時間に置いても消費電力が500W程度に留まっていること(図6)が確認された。

概要 (英文)

In order to promote energy saving and improve thermal comfort during air conditioner operation, it is expected to use control functions of air conditioners such as human sensing. In this study, a method to continuously measure the direction of flaps and louvers of an air conditioner was developed to understand the behavior of the air conditioner in response to differences in the position of the person in the room. As a result, it was confirmed that the direction of the flaps and louvers changed depending on the control type of the motion sensor function and the position of the person. In addition, we conducted heating and cooling tests under different flap and airflow conditions in test houses with different insulation performance to understand the indoor temperature distribution. As a result, it was confirmed that the larger the airflow rate, the smaller the temperature difference between the top and bottom of the room for both cooling and heating in all insulation-grade houses.

報告書年度

2021

発行年月

2022/04

報告者

担当氏名所属

上野 剛

グリッドイノベーション研究本部 ENIC研究部門

安田 昇平

グリッドイノベーション研究本部 ENIC研究部門

宮永 俊之

グリッドイノベーション研究本部 ENIC研究部門

キーワード

和文英文
家庭用エアコン Room Air Conditioner
住宅 Residential Building
性能評価 Performance Evaluation
室内温熱環境 Indoor Thermal Environment
Copyright (C) Central Research Institute of Electric Power Industry