電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

H17003

タイトル(和文)

ガス絶縁機器用Oリングの荷重に基づいたガス漏れ評価手法の開発 -開発手法と圧縮永久歪率を用いる手法との評価指標の関係-

タイトル(英文)

Development of Gas Leakage Estimation Method based loading of O-rings Attached Gas Insulated Equipment -Investigation of Evaluation Index and Its Relation with Conventional Method-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背 景
ガス絶縁機器に使用されるシール材であるOリングは、熱や酸素などにより劣化することで、内封するガスが漏洩して絶縁性能が低下するなど機器の寿命や信頼性に影響を与える。Oリングの劣化状態は、従来、内封するガス圧力によらず、Oリング寸法に基づいた圧縮永久歪率(*1)が80%を超えた場合にガス等が漏れる可能性があるとの経験則に基づき評価されている(*2)。一方、内封するガス圧力はOリングの荷重で保持されることから、当所ではOリングの荷重をガス漏れ発生の閾値とする新たなガス漏れ評価手法を提案した (*3)。このため、本手法を実適用するためには、評価指標を定義することや、従来の圧縮永久歪率での評価手法との関係性などを明確化する必要がある。
目 的
ガス絶縁機器のガス漏れ評価において、Oリングの荷重に基づく手法(開発手法)と圧縮永久歪率を用いる手法(従来手法)との評価指標の関係性を明確化する。
主な成果
1. 開発手法と従来手法との評価指標の関係性
Oリングの荷重に基づいたガス漏れ評価における評価指標として、図1 に示す「Oリング荷重残率」を定義した。本評価指標を用いることで、ガス漏れ発生までの裕度を荷重の大きさとして評価できる。圧縮永久歪率とOリング荷重残率の関係を実測と計算により比較した結果、ほぼ線形の関係となることを確認した(図2)。また、ガス漏れが発生するOリング荷重残率ゼロとなる圧縮永久歪率は、本条件では80%を超えた場合となった。これより、これまでの圧縮永久歪率での評価では、その値自体でガス漏れの有無を評価できなかったが、今回定義した評価指標『Oリング荷重残率』では荷重という力学的な指標でガス漏れの有無が評価可能となる。
2. 開発手法による評価例
ガス漏れが発生するOリング荷重残率ゼロにおけるOリング圧縮率(*4)とガス圧力の関係例を図3に示す。ガス漏れ条件は、圧縮永久歪率により異なり、図3に示す線より下の領域ではガス漏れが発生しないと評価することができる。圧縮永久歪率が80%より大きくても、ガス圧力が低い条件やOリング圧縮率が高い条件では漏れが発生しないこととなる。
今後の展開
ヒートサイクルなどの実運用状況を考慮した検討を行い、Oリングの荷重に基づいたガス漏れ評価手法の確立を目指す。

概要 (英文)

This report defines the evaluation index for the CRIEPI's gas leak estimation method based loading of O-rings, in order to clarify the relation with conventional method that uses compression set. Retention ratio of the O-ring load was selected to be the index, which regards the load to be the remaining safety margin till the final gas leak outbreak. This load retention ratio showed linear relation with the conventional compression set, both in experiment and calculation validations. Time evolution of the retention ratio was investigated by applying thermal stresses to the O-rings. Both the load and retention ratio decreased the lapse of time. The advantage of using the new evaluation index was highlighted in the fact that the decrease in retention ratio gradually became gentle due to the material stiffening.

報告書年度

2017

発行年月

2018/08

報告者

担当氏名所属

堀 康彦

電力技術研究所 高電圧・絶縁領域

水谷 嘉伸

電力技術研究所 高電圧・絶縁領域

三坂 英樹

電力技術研究所 高電圧・絶縁領域

キーワード

和文英文
Oリング O-ring
ガス漏れ Gas leakage
荷重 Load
ガス絶縁機器 Gas insulated equipment
評価指標 Evaluation index
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