電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
NR24002
タイトル(和文)
リスク情報を活用した国内原子炉格納容器漏えい率試験に係る試験間隔延長の成立性の調査検討
タイトル(英文)
Feasibility study of the risk-informed approach to the Containment Vessel Leak Rate Test interval extension in Japan
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
国内原子力発電事業者は福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、重大事故等対処設備の整備等によるプラントの安全性の向上に努めている。一方で、プラント定期検査中の設備メンテナンスの物量増にともなう、作業要員負荷や被ばくの増大への対応が課題となっている。電気技術規程(JECA4203) に規定される原子炉格納容器の漏えい率試験(CVLRT)は、施設定期検査において全体漏えい率試験(A種試験)と、局部漏えい率試験(B種試験)および隔離弁局部漏えい率試験(C種試験)の組み合わせにより実施されるが、特にA種試験では隔離等試験により被ばくをともなう要員負荷の大きい試験である。このA種試験は施設定期検査毎、あるいは3回の施設定期検査に1回の試験間隔により実施される中、米国をはじめ海外プラントにおけるA種試験の間隔は、リスク情報を活用して最大で15年間に1回の間隔で実施される。A種試験の間隔延長により、安全性を維持しつつ、作業要員の負荷の低減、被ばくの最適化による適切な経営資源の配分への貢献が期待できることから、国内プラントのA種試験へのリスク情報を活用した試験間隔延長の成立性を検討することの意義は大きい。
目 的
国内プラントにおけるCVLRTのA種試験の試験間隔延長に向けて、CVLRTに関する国内外関係情報調査、A種試験の間隔を延長した場合のRIDMプロセスの成立性の検討、および国内プラントが実機適用に際し必要となる電気技術規程(JEAC4203)の改定に向けた検討事項を抽出することを目的とする。
主な成果
1. CVLRTに関する国内外関係情報の調査
CVLRTに関する技術基準規則他国内情報を確認するとともに、A種試験の間隔延長に関して、米国10CFR50附則J や米国原子力協会(NEI)、米国電力研究所(EPRI)文献の確認、および米国事業者への実運用等聞き取り調査をした。国内情報からは、JEAC4203に試験間隔要件が規定され、運用されていることが分かった。また米国10CFR50附則JのオプションB(パフォーマンスベース試験)の適用にあたり、米国原子力規制委員会(NRC)はNEIのA種試験延長時の産業界ガイド をエンドースし、またEPRIの研究成果 を参照したA種試験間隔延長時のリスク影響が評価されることの体系化が図られていることが分かった。またNRC、米国事業者から多くの米国プラントにおいてA種試験間隔延長が導入済みであることが確認できた。
2. A種試験の間隔を延長した場合のRIDMプロセスの成立性の検討
NRCのRegulatory Guide 1.174 や日本原子力学会のIRIDM標準 を参照し、RIDMプロセスの原則事項に沿った検討を通じて、国内プラントにおけるA種試験間隔の延長の成立性が確認できた。このうちリスク評価では、EPRIの評価手法を踏まえ、国内プラントのA種試験データを用いて評価したリスク増加は、IRIDM標準が示す判定基準を満足することを確認した(表1)。
3. 電気技術規程(JEAC4203)改定に向けた検討
JEAC4203改訂に向け、A種試験間隔延長の判断方法や、試験間隔の延長中の措置等要件を抽出、整理した(表2)。
概要 (英文)
Nuclear licensees in Japan have announced their decision to introduce risk-informed decision-making (RIDM) process into their management processes at nuclear power plants with a framework to appropriately assess their initiatives, reduce risks effectively and improve safety, which was stated in "Strategic and action plans for the implementation of risk information utilization at nuclear power stations," in February 2018, updated in July 2020 and in December 2023.
One of the items stated in this plan is the expansion of their management activities. This report provides some information about precedent US practices of Containment Vessel Leak Rate Test (CVLRT) interval extension and results of a feasibility study for Type A test interval extension by risk impact assessment with performance data of PWR and BWR plants in Japan and examples of demonstrations of RIDM process. This study aims to introduce the initiative to gain benefits of decreasing occupational radioactive exposure and workload through Type A test interval extension up to every fifteen years. This report also provides key elements of amendment to JEAC4203, which prescribes CVLRT requirements, to be considered for an additional option of the performance-based Type A test interval extension.
報告書年度
2024
発行年月
2025/08
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
高橋 俊佑 |
原子力リスク研究センター リスク情報活用推進チーム |
キーワード
和文 | 英文 |
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格納容器漏えい率試験 | Containment Leakage Rate test program |
リスク情報を活用した意思決定 | Risk-informed decision making |
確率論的リスク評価 | Probabilistic Risk Assessment |
A種試験間隔の延長 | Type A test frequency (interval) extension |
リスク管理 | Risk Management |