電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

O20001

タイトル(和文)

国内原子力発電プラントを対象とした火災PRAガイドの策定

タイトル(英文)

Development of Fire PRA Guide for Japanese Nuclear Power Plants

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背  景
原子力発電プラントの内部火災事象は主要なリスク要因のとなり得、合理的な火災防護の設計・運用が安全確保上重要である。そのための有益な情報を取得する手段として火災PRAがある。国内において火災PRAを効果的・効率的な実施に資する実践的な火災PRAガイドの策定が喫緊の課題である。
目  的
国内原子力発電プラントの火災PRAの効果的・効率的な実施に資するため、米国の包括的な火災PRAガイド(NUREG/CR-6850 )を出発点として、最新の技術的知見を反映した実践的な火災PRAガイドを策定する。
主な成果
1.火災PRAガイドの策定
国内原子力産業界が火災PRAを実施するための評価ガイドを策定した。本ガイドは、評価者の理解を促すため、火災PRAを20タスクに分割し、各タスク間の依存性を明示した(図1)。また、回路解析手法、人間信頼性解析手法及び火災モデリング等について、米国及び国内の最新の技術的知見を反映した(表1)。本ガイドは、炉心損傷頻度及び格納容器機能喪失頻度を評価指標とし、プラント運転状態として出力運転時を対象とした。
2.火災PRAガイドの構成
火災PRAの実施タスクを、火災PRAプラント応答モデル及び火災シナリオの構築等を行うフェーズAと火災シナリオの詳細解析を行うフェーズBに分割し、評価の効率化を図った。フェーズAは、プラント応答モデルを構築するタスク1を中核とし、火災シナリオを構築するタスク2~5及びパラメータの初期値を設定するタスク7~8で構成した。ここで、タスク2~5を同時反復的に実施し、火災シナリオを精緻化する。フェーズBは、火災事象進展及び火災起因炉心損傷頻度等を定量化する(タスク10~17)。
今後の展開
本研究において策定した火災PRAガイドについて、今後、モデル評価等により実機評価適用性を確認する。

概要 (英文)

Fire events can be one of the dominant contributors to the overall risk of nuclear power plants (NPPs). The Nuclear Risk Research Center (NRRC) of the Central Research Institute of Electric Power Industry (CRIEPI) assists the Japanese nuclear power industry by developing and employing modern methods of Probabilistic Risk Assessment (PRA). Consistent with its objectives, the NRRC has developed the Fire PRA Guide to provide the nuclear power industry in Japan a consistent methodology and supporting data to implement Fire PRAs. The guide builds upon the practical experience and lessons learned from conducting Fire PRAs in the United States.
The methodology and data presented in the guide take advantage of the work that has been previously completed in the United States and in other countries. It uses NUREG/CR-6850 issued in 2005 as a starting point but deviates from it by including the experience of PRA practitioners, as well as the results of research and methodological developments that have been completed since the publication of that report.
The NRRC expects that the results of Japanese fire PRAs will be used to support risk-informed decision making regarding fire protection and plant safety. It may also be useful to other organizations around the world that wish to use a guide that is an update of NUREG/CR-6850.

報告書年度

2020

発行年月

2020/06

報告者

担当氏名所属

内田 剛志

原子力リスク研究センター リスク評価研究チーム

白井 孝治

原子力リスク研究センター リスク評価研究チーム

池 正熏

原子力リスク研究センター リスク評価研究チーム

田坂 光司

原子力リスク研究センター リスク評価研究チーム

George Apostolak

原子力リスク研究センター

Mardy Kazarians

Kazarians & Associates

キーワード

和文英文
火災PRAガイド Fire PRA Guide
回路解析 Circuit Analysis
人間信頼性解析 Human Reliability Analysis
火災モデリング Fire Modeling
確率論的リスク評価 Probabilistic Risk Assessment (PRA)
Copyright (C) Central Research Institute of Electric Power Industry