原子力技術研究所 放射線安全研究センター

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厚生労働省「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(食品中の放射性物質に係る基準値の設定)(案)等」に対する当センターのコメント

【意見】

暫定規制値に基づく規制は十分に機能していることから、新たに基準値を設定する必要性は全くない。
暫定規制値に基づく規制によって、放射線感受性が高いとされる小児であっても、決定論的推計による中央値は年間で0.2 mSv未満であり、目標としている年間1 mSvを十分に下回る十分な安全が担保されている。 したがって、今回の新基準値は、安心の担保が主たる効果として期待されるところであるが、逆に必要以上に基準値を厳しくすると、基準値を上回る食品数や規制が増すことによって、社会的な混乱をまねき、放射線に対する不安感を煽ることになることが懸念される。
また、新たな設備と管理体制の導入や大きな損害を受ける生産者への補償など、巨額な社会資本を投入して、新基準値に基づく規制を実施したとしても、決定論的推計の中央値の減少は0.051 mSvから0.043 mSvと、自然放射線の変動レベル以下の効果しかもたらさない。 これは、線量低減措置としても正当化されない上に、公衆被ばくに対する防護全体の最適化を考える上でも無意味である。
安全と安心を担保しつつ、社会と経済への影響、とりわけ、生産者への影響を最小限に留めるために、放射性セシウムに対する暫定規制値を今後も準用することとし、放射性ヨウ素については、今後の新たな汚染は想定されないことから、規制の対象外とすることを提案する。

【2012年2月3日提出 (財)電力中央研究所 放射線安全研究センター】


以上

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