| 日時 | 2026年9月30日(水) |
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| 会場 | 大手町三井ホール(東京都千代田区大手町 1-2-1 Otemachi One 3F) |
| 参加者 | 約160名(原子力事業者:約60名、原子力規制委員会:約10名、メーカー、ゼネコン、大学関係者等) |
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プログラム 
開会セッション
ジョージ・アポストラキス所長から、シンポジウムの導入として、「確率論的リスク評価(PRA)とPRAが原子炉安全に与える影響に関する所見」と題した基調報告がなされた。日本において「10⁻⁶文化」とも言える考え方(PRA評価結果が特定の数値(10⁻⁶)を下回っているかどうかに重点が置かれ、リスクの相対的な大きさや何を優先して改善すべきかという議論が不十分)が存在していたと感じていること、及び安全目標との関係において複数基を有する原子力発電所全体のリスクをどのように評価し意思決定に反映するかの検討が重要であること、などの意見が述べられた。また、米国ではメンテナンスルールなど様々なRIDM(リスク情報を活用した意思決定)プログラムの導入により原子力発電所の稼働率が上がるだけでなく、内的事象PRAの炉心損傷頻度が1990年代から現在まで約1/20となり安全性向上も達成していることなどRIDMの利点について説明された。
次に、原子力規制委員会 原子力規制庁 長官官房 核物質・放射線総括審議官の古金谷敏之氏から、「リスク情報を活用した原子力規制〜効果的・効率的な規制活動に向けて〜」と題した基調講演(事前録画)がなされた。これまでの規制活動でのリスク情報活用、リスク情報活用に関する産業界との意見交換、運転中保全(OLM)導入などの状況の説明のほか、フルスコープPRAへの展開(内部火災、内部溢水などPRAの対象ハザードの段階的拡大)及びそのための規制、産業界双方の研究開発の重要性について述べられた。
国内におけるPRA及びRIDMの概要
現状の到達点
リスク情報活用推進チームの荒井佑介主任研究員から、内的事象PRAに係るNRRCを含む産業界の取り組みにより、機器故障率や人的過誤の評価を含む内的事象PRAモデルが国際的技術水準に到達したことで、幅広いリスク情報活用が可能となったことが報告された。
こうした進展につながった以下のNRRCの主要な取り組みが報告された。
- 海外専門家による内的事象PRAピアレビュー
- 機器故障率用データの収集・分析手法の改善
- 人間信頼性解析(HRA)定性分析ガイドの開発
自然外部事象研究チームの中島正人チームリーダーから、地震PRAに係るNRRCを含む産業界の取り組みにより、各原子力発電所の立地特性を踏まえて、評価手法および地震PRAモデルの保守性を低減し、説明性を一層向上することで、リスク情報活用を支援できるレベルに到達したことが報告された。
こうした進展につながった以下のNRRCの主要な取り組みが報告された。
- 伊方SSHACプロジェクトを受けた地震ハザード評価手法の改良・開発
- より現実的な地震フラジリティ評価手法の開発
自然外部事象研究チームの木原直人副チームリーダーから、津波PRAに係るNRRCを含む産業界の取り組みにより、各原子力発電所の立地特性を踏まえて、敷地内および建屋内への浸水の特徴などを考慮した詳細な事故シナリオを把握し、より現実的なリスクの評価ができるレベル1からレベル2までの津波PRAの実施が可能となったことが報告された。
こうした進展につながった以下のNRRCの主要な取り組みが報告された。
- 各原子力発電所の立地特性を反映可能な敷地内浸水評価手法の提案
- 現実的な事故シナリオに対する津波PRAの実施
リスク評価研究チームの鈴木求上席研究員から、内部火災PRAに係るNRRCを含む産業界の取り組みにより、個別プラントの状況を反映した品質の高い内部火災PRAを効果的かつ効率的に実施する体系が整いつつあること、一方で、実施に係るリソースが膨大であるという課題が報告された。この進展につながった次のNRRCの取り組みが報告された。
- 内部火災PRA実施ガイドの策定
- 火災発生頻度一般分布の整備
- 内部火災PRAに必要な各種評価手法の整備
- 実機情報に基づいた評価
次に、内部溢水PRAに係るNRRCを含む産業界の取り組みにより、個別プラントの状況を反映した品質の高い内部溢水PRAを効果的かつ効率的に実施することが可能になったことが報告された。 この進展につながった次のNRRCの取り組みが報告された。
- 内部溢水PRA実施ガイドの作成に向けた実機情報に基づいた評価
- 内部溢水PRAに必要な各種評価手法の整備
- 内部溢水PRA実施ガイドの策定
リスク評価研究チームの中村康一上席研究員から、レベル2 PRAに係るNRRCを含む産業界の取り組みにより、従来に比べて評価の保守性が改善されることを確認し、レベル2 PRAの最良推定値を得られる目途がついたことが報告された。
こうした進展につながった以下のNRRCの主要な取り組みが報告された。
- 格納容器機能喪失頻度における格納容器フラジリティ評価の導入
- 格納容器漏えい箇所における粒子状物質除去効果の評価手法の確立
- 本研究で構築した評価手法の性能確認
リスク情報活用推進チームの渡邊学チームリーダーから、NRRCによる運転中保全ガイドラインの策定により、運転中保全の導入が原子力規制委員会に了承され、関連する内規類の改正後に実施が可能な見込みとなっており、我が国におけるリスク情報の活用が前進したことが報告された。また、これまでのNRRCの成果である、格納容器漏えい率試験の試験間隔の延長などのRIDMの具体的な方法に関する知見も実務で活用が見込まれるとの今後の見通しが報告された。
今後の開発
自然外部事象研究チームの野原大輔上席研究員と土志田潔上席研究員から、竜巻PRA、火山PRAともに、NRRCがハザード評価からPRAモデル開発を加速している段階であり、今後、フラジリティ評価手法の構築にも着手していくことが報告された。それらを使って、プラントの特徴を踏まえたPRA手法の構築、実機プラントでのPRA実施を支援するためのガイドラインなどの文書作成にも取り組む計画も報告された。
研究コーディネーターの米田公俊研究参事から、フルスコープPRAに向けた評価手法の確立を目指し、マルチハザードPRA、マルチユニットPRA、使用済み燃料プール・ピットのPRAおよびレベル3 PRAに関するこれまでのNRRCの取り組みが報告された。学会標準類で実施事項が規定されているPRAについては、実務的な手法や国内状況に適した手法を構築している。また、既に一定程度手法が整備されているPRAについては、より現実的な評価を可能とする手法を構築していることも報告された。
閉会セッション
閉会の辞として、朝岡善幸所長代理から登壇者、参加者への謝意が述べられ、今後は得られたリスク情報を安全性向上にどのように生かしていくかが重要と強調された。




